それからは私と楓の「お願い」と「嫌」の言い合い。 結局は楓が折れて、私が“城”に行くことはなくなった。 「なぁ、じゃあせめて、家まで送らせて…?」 可愛い可愛い楓が目をうるうるさせて言う。 ほんともう、私はこれに弱い。 「うん…。分かった…。」 私は、家に送ってもらうことを了承した。 ほんとは嫌だけど! でも楓が言うから…っ! なんでこんなに楓に弱いんだろう。