嘉は、ばっと顔をあげて私を見た。
「昨日侑希ちゃんをしらべたら出てきた。」
………は?
嘘でしょ。
それはトップシークレットなのに。
「真っ白な画面の真ん中に、急に出てきたんだ。月華って。」
なるほどね。
私がやったんじゃない。
ってことはマスターだ。
またあの人は…
遊んでる。
面白がってやったんだわ。
「侑希ちゃん?」
嘉は私に返事を催促するように声をかけてくる。
「月華が有名なことは知ってるわ。
だけど、私には何の関係もない。」
そう。
月華は私だけれど、今の私は“栗栖侑希”なのだ。
月華として仕事をしてるけど。