華〜ハナ〜Ⅰ【完結】





「…ねぇ、離してくれない。私行かないわよ。」

「だーめ。侑希が俺と一緒に来ることは決まったの〜」





…………。



バッ!!



私は、李玖に捕まれていた手を振り払った。



「え…侑希?」




突然の私の行動に驚いたらしい李玖は目を丸くして振り返った。




「行かない。」

「ゆっ侑希?ごめん!怒ったか?」




私が変わらず無表情だったからだろうか。


李玖は慌てて謝ってきた。




「ごめんな。怒らせたか?」

「…怒ってなどないわ。ただ……」

「ただ?」




マスター以外の誰かに命令などされたくない。

私のことを決められるのはマスターだけ…。



「……なんでもない。とにかく行かないから。貴方は一人で行けばいい。」

「………。」




李玖はまだ何か言いたそうな顔をしたままだった。


でも私はそんな顔を見ずに、一人で廊下を歩き出した。