トナリの無口くん



「羽瑠!!!」

廊下に戻った瞬間に、美希が声をかけてきた。

小川と小島の姿はない。



「美希……」

「羽瑠……帰っちゃったかと思った……」

美希はホッとしたようにため息をついた。


美希も、あたしの事心配してくれてたんだ……



なんだか言うのが照れくさくって、心の中でありがとうと言った。





「……小川たちは???」

あたしが美希に尋ねる。

美希は少し困ったような顔をした。




「なんか……よく分かんないけど……小川が小島を連れてどっか行っちゃった」


……え???


あたしが美希の言葉に戸惑っていると、野口が呆れたようにため息をついた。




「でた……小川の説教」


「「はぁ????」」

あたしと美希は声をそろえて言った。