「あ…しまった。カラオケの店に手袋忘れてきちゃった。

取ってくるから、みんな先に行っといて!」


「美衣、オレも行く」


とっさに来栖くんがそう言ってくれたんだけど、来栖くん盛り上げ役だし抜けるとみんなにも悪いからね。


「ううん、ダーツバーの場所知ってるから。…先に行って待ってて?」


さっきの告白の、私の答えが曖昧だったから気を遣ってるのかはわからないけど、


来栖くんは遠慮がちに微笑むと、それ以上無理には言ってこなかった。


「わかった。じゃ、なんかあったらすぐ連絡すること」


そう言って来栖くんは、みんなと一緒に夜の街に消えて行った。