「夢か……」


そう思ったら、さっきの出来事もちょっとは救われるかな。


「さっきのは、ちょっとしたハプニングだ」


そう言って、カイトは私の唇にそっと指をあてがった。


途端にビクッと反応する私を見て、笑みを作る。


「……カイト、わかってたの?」


「まぁな。現実でホントにしたワケじゃないし、あんなの1回にカウントすんなよ?」


「…………」


カウントすんなとは言われても、やっぱり気になる。


だって、ファーストキスだったんだもん。