なによー。


カイトに恋の楽しさを思い出させてあげるけど、私がカイトに恋するわけじゃないんだから。


ドキドキする胸に手をあて、自分に言い聞かせる。


そうだよ、『お前の人生めちゃくちゃにしてやる』だなんて、


そんなセリフ言うような人……。


今日カイトを見たときのことを、思い出す。


イルミネーションに照らされて、素敵なカップルに見えた二人。


カイトが彼女の肩を抱こうとして、そして叩かれてたんだよね。


プッ。なんか滑稽だよね。


含み笑いをして、私の先を歩くカイトのあとを黙ってついていく。