溺愛キング

『…………』


なんか込み上げてきた。

言葉にならない何かが込み上げてきた。


「矢耶。返事は?」


手を繋いでくれた藍に

優しい口調、優しい表情で聞いてきた藍に

精一杯の気持ちを込めて


『…………うんっ藍と一緒に居たい。離れたくない。藍が居ないとこ嫌。楽しくないもん。ここに残りたい。お父さん、お母さん、だめ?』


二人を真っ直ぐ見ながら言った。


「昔から一度言い出したら言うこと聞かないもんね。矢耶の決めたことならお母さんたちは何も言わないわ。ねっ哉人?」

「あぁ。それで矢耶が笑顔で居られるなら何も言わない。けど、、、寂しいな」

『お父さん、お母さん…』

「もぉ~哉人、何言ってるの~いつでも会えるでしょ?八重が一緒に居るだけじゃ、ダメ?」

「そっ!そんなことない。矢耶が居ないのは寂しいが、八重が居ないのはもっと困る。八重さえ居てくれれば何でもいい」

「ありがとっ!哉人大好きっ!」


抱き合う二人…

何かねぇ~

結局はそこ?!みたいな感じ。

てか、どこかで見る光景だよね?

って、自分達じゃん…笑


「哉人さん、八重さん、我が儘言ってすいません。けど矢耶と離れるのだけは譲れないんです。ありがとうございます」


藍が頭を下げた。

藍の想いが繋いだ手からひしひしと伝わってきた。

嬉しいけど寂しいよ。

お母さんとお父さんと離れるのも寂しいよ。


「けどね、ここからが重要なのよ」


お母さんは座りなおして言った。

これ以上に何かあるの?

お母さんの言葉に眉を潜めた。