溺愛キング

なんだか、心が暖かくなる。

矢耶は俺を幸せにする天才だ。


ガラッ……――


先生が入って来た。


いよいよテストが始まる。

矢耶は泣きそうな顔をしている。


『大丈夫だ。あんなに頑張ってたんだから大丈夫だ』

「ぁぉ……」


声も小さい。

ちゅっとキスをしてやった。


『俺が隣に居るんだ。いつも通りにやればいい。な?ご褒美欲しいんだろ?』

「うん、頑張るね」


シャーペンに力を入れ、矢耶はテストに向かった。



終了の合図と共に、皆の声が飛び交う。

五十分が異様に長く感じた。

矢耶は難しい顔をしながらも、いちを解いていた。

大丈夫だろう。

俺が言うんだ、だから赤点では無いな。


「あおー!頑張ったけど、分かんないよぉ」

『心配すんな、俺が大丈夫って言ってんだ安心しろ』

「けどー」

『さ、帰って明日の勉強すんぞ』


矢耶の鞄を持ち、手を繋ぐ。

残り三日間、短い様で長い。

早く終われと切実に思った。