溺愛キング

テスト当日、いつもは髪をおろしているのに、今日の矢耶はポニーテールだ。


『どうした?これ』


矢耶のポニーテールを指に絡めて聞いた。


「気合い入れるためっ」

『そっか、可愛いな。似合ってるよ。けど、解きたくなる』

「帰ってからにしてね!藍!話し掛けないで!覚えたことが抜けていっちゃう!」

『ひでぇなぁー』


矢耶はブツブツ言いながら教科書とにらめっこ。


この二日間、矢耶は必死に勉強をした。

あんだけしたから、まぁ大丈夫だとは思う。

けど、俺も頑張った。

理性保つの、大変だった。

隣に矢耶が居るのに、何も出来ないのは辛い。

それでも、頑張ってる矢耶を見ると自ずと顔も緩んでしまう。

何かに一生懸命な矢耶は特に可愛い。

先生が来るまで勉強をしてる矢耶の頭を撫でた。


「なぁに?」

『いや、頑張ってんなーって』

「うんっ!藍にご褒美もらうため頑張ってるよ」

『…っ!』


ニコッと笑い、また教科書に視線を戻した。


やべー。

なに、今の。

心臓にグサッときた。

俺からのご褒美が欲しいから、あんなに頑張ってんのか?

普通に嬉しい。