溺愛キング

「あ?どういうことだ?」


藍の顔がだんだん険しくなる。


『だって聞いちゃったんだもん』

「は?何を」

『藍が朝から冷たくあたるから、あんなことになったんだもん』

「言ってる意味が分かんねぇ」

『矢耶だって分かんないよぉ!』

「は?」

『矢耶だって聞きたかったんじゃないもん…』

「だから矢耶。分かる様に喋れ」

『藍の過去の話だもん。今更言ってもしょうがないもん。だけど、それでも、あんな態度とられたら思うに決まってるじゃん!』

「ますますわけが分かんねぇ」


藍は頭を傾げた。


だからー!

もう、ダメなの!

これ以上は聞いちゃたダメ!

矢耶!

止めるんだ!

虚しくなるだけ!

今日みたいな事は、もうこりごりなんだよ?

また揉めちゃうよ…


今、藍が隣に居るだけで充分なんでしょ?!

そんな昔のこと、ひっくり返してどうするの?

謝ってもらうの?

ううん、違う。

そんなことして欲しいんじゃないよ。

ただ、悲しかっただけ。

こんな心の狭いこと言ってたら、ほんとに藍に嫌われちゃう。