溺愛キング

「矢耶、どーした?」


布団を敷き、寝る準備をしている藍に聞かれた。


『ううん、何もないよ』

「そんなことないだろ?何か考えてただろ」

『まぁ、』

「言えよ」

『別に気にするほどでもないし』

「俺のことだろ?」

『え?』


なんで?

なんで、そう思うの?

心当たりがあるから?

あれからずっと、矢耶はモヤモヤしてる。


「言えって。気になって仕方ないだろ」

『今日の藍、ひどかった』

「直球だな」


苦笑いの藍は布団の上に座った。


「あれは、悪かった。自分でもびっくりした」

『矢耶が転けそうになったこと気付かなかった?泣いてたの気付かなかった?』

「はっ?!」

『やっぱり、気付いてなかったんだ…』

「いつ転けた?!いつ泣いてたんだ?!」


いきなり肩を掴まれ揺らされた。

うわっ、視界が揺れるよっ!


『あ、あお!落ち着いて!揺らし過ぎ!』

「いつだ」

『車から降りた時、昇降口で喧嘩になりそうになった時!!』

「はぁ、情けねぇ」


矢耶の肩に額をひっつけて、藍は矢耶を抱きしめた。