溺愛キング

「とりあえず、矢耶!帰ろ?」

『うん』


追いかけたら間に合うかな?

海亜と一緒なら言える。

一人だと怖いけど…


「さっ!矢耶!鞄持って行くよ!」

『あ、待って海亜〜』

「もう、気にしてもしょうがないのよ。今日は気晴らしにパーッとしよ!」


海亜…

やっぱり気を使ってくれてる。

ここで、藍のとこ行く、なんて言ったら発狂するよね?

今日はやっぱり出直そう。

一晩たてば、藍も気が変わってちょっとは許してくれるよね?


自分にそう言い聞かせた。


「矢耶、どーする?」

『う、ん…』

「もぉ〜辛気くさーい。今日だけはあたしもパーッとしたいの!いい?!」

『はぁーい』

「よしよし、行きますか?!」

『あ、どこに?』

「あ、そうね、決めてなかった」

『ぷっ!海亜、ばかだぁ』

「やーね、馬鹿じゃなくておちゃめとかにしてちょうだいっ!」

『え〜?』


なんだか、申し訳なくなった。

海亜は、盛り上げ様としてくれてる。

それなのにいつまでも、グチグチしてたらダメだ。

今日はキチンと気持ちを落ち着かせないと。

じゃないと、明日、藍に言いたいこと言えないもん。