溺愛キング

ほんとに、なに?


転けそうになったこと隠したのに気付いてもくれない。

朝から態度悪いし。

今度はサボる?

なにそれ。


『ねぇ、何で、そんなに怒ってるの?矢耶、藍に何かした?』

「怒ってねぇよ」

『怒ってるじゃん!態度悪い!』

「はぁ、」

『…………っ、分かった。先に行ってるね。戻ってくるなら連絡ちょうだい』


目に涙が溜まって、視界が揺れてる。

こんなとこで泣いてるのを見られたくない。


周りがざわついてるのが分かる。

矢耶達を見てる。


藍のため息がまた聞こえた。

一方的に突っかかってるのは矢耶の方?

今日の矢耶は、藍にとってお荷物なのかな。


あ、ヤバい。

本当に泣きそう。

これ以上、我慢出来そうにない。


クルッと回れ右をし、教室に向かった。

振り返ることもなく。


「矢耶!」


藍に呼ばれたけど、見ることすら出来なかった。