溺愛キング

うそ。


「あいつ…矢耶ちゃん、後で怒っとくから、早く追いかけておいで」


心ちゃんにそう言われて、急いでドアを閉め、走った。


「気をつけろよー!」

『わっ!』


案の定、転けかけた。

けど、藍は…



気付いてない。



慌てて心ちゃんが車から降りてきた。


『大丈夫だよっ!怪我してないし心配ないから!』

「そうか?今度こそ気をつけろよな?」

『うんっ、分かった!行ってきます!』

「ったく……、よく問題を起こす二人だな。今度は矢耶ちゃんが振り回されてんのか?まぁ、大事にならなきゃ、いいか…」


心はため息をつくと、車に乗り仕事場へ向かった。


心ちゃんに手を振って、再び藍の元へ走る。


『藍!待ってよー!』


もう玄関に着いて靴を履き替えていた。


「心との話は終わったのか?」

『え?話?し、してないよ?こけそ…………ううん、何もない』

「俺、一限目サボるから矢耶は先に教室行っとけ」


……………。