溺愛キング

「きょ、う、はん?」


矢耶は目を丸くさせながらも、期待の眼差しを優乃さんに送っていた。


「そうよ!共犯よ!」

「あ、はい」


類さんの腕の中から離れ、優乃さんの前に立った矢耶。


「いちを、追いかけっこはおしまいね!藍飛は矢耶ちゃんを見つけれたんだから!ね?藍飛?」

『え、あ、はい…』


あまりの勢いに、返事してしまった。

そんななか、類さんだけは疑わしい視線を優乃さんに送っていた。

その直後、


「矢耶ちゃんも納得したのよね?じゃぁ、今度はー…」

「ちょっと待て!」


優乃さんが喋っているのを類さんが止めた。


「まて、まて、待て!」

「うん、だから待ってるよ?」


優乃さん、すかさず類さんに突っ込んだよ。

いや、俺にはできねぇな。


「だから、待て!その先は言うなよ!」


ん?

類さん、優乃さんが突っ込む前にくぎを差したのか?!


「藍飛!」


え?お、俺?


『は、はい!』

「何、座ってんだよ。早く、矢耶を連れて帰れ」


いきなり話をふられたかと思えば帰宅しろって…


「分かんないのか?これから起こる状況が!俺まで巻き込むな!」


類さんの言ってる意味が分からなかった。


「る、い〜?この際だから言わせてもらうけどね!」


腰に手を当て、類さんを見下ろす優乃さんから、何かを感じとってしまった。


『わ、わかりましたっ!帰ります!長居しました!矢耶!帰ろう!車で心が待ってる!な?』


ベットから飛び降り、矢耶の腕を掴んだ。