溺愛キング

「っ?!」

『馬鹿やろう、どこいってたんだよ』

「あ、あお…」

『ほんとに心配したんだからな』

「痛いよ…あお…」


ほんの数時間しか離れてなかったのに、何十年も会ってなかった様な感覚だ。


「ばかっ!藍のばか!離して!」


矢耶は俺の胸を思いっ切り押して離れ様とした。

それでもなお、矢耶を抱きしめた。


「やだっ!離して!」

『矢耶、悪かった。だから許してくれ、頼むよ』

「いやっ!藍なんて嫌い!離して!やだぁ!」

『矢耶!頼む!俺が悪かった!だから……頼むよ』


俺から離れ様と暴れる矢耶。

こんなことは初めてで、どうしたらいいのか分からない。


なんか、情けなくなってきた。

プリンのせいで、こんな事まで発展してしまった。

たかがプリンだ。

されど、プリンだ。

こんなにも悩まされるとは…


そもそも、矢耶も矢耶だ。

プリン一つでこんなに怒るか?

俺はそんなに悪いことしたのか?

考えれば考えるほど、分からなくなる。



ドン―――……


矢耶は俺を押し倒し、ベットから逃げ出した。