溺愛キング

無性に泣きたくなった。

抱き着いてきた矢耶の背中に腕を回して、距離を縮める。


『ごめんな、矢耶。
ほんとごめん。』


どうしようもない気持ちが込み上げてくる。


『矢耶、許して。な?』


矢耶の顔を覗き込んだ。

眉をハの字にして、目から涙を流す矢耶がどうしようもないくらい、愛しかった。

ちゅっ―――……

まぶたにキスをした。
流れ落ちる涙を舐めた。


「んっ…………
くすぐっ……たいよぉ。」


顔を背け様とするけど、後頭部に置いた手で阻止した。

そんな俺を見て


「今回はどっちも、お互いを考えてなかったんだよ。自分だけ突っ走っちゃったの。だから、遠回りしちゃったの。これからはちゃんと言うから。すぐに言うから。ね?あと……」

『あと、ってなんだよ。』

「もうちょっとさ、何て言うのかな、冗談をさ…」


痛いとこついてきた。


『分かったよ。分かってんだけどそれ難しいんだよ。冗談とかノリで言ってるとか分かるんだけど、なんか真に受けちまうの。矢耶がらみの時だけ、だけどな』

「ははっ…それって、矢耶すんごい愛されてるね。」

『なに?今更気付いたのかよ。』

「ううん。改めて実感したの!」

『矢耶は分かってんのか?俺がどれくらい想ってるのか。』

「分かってるつもりー!」