「「…………っ」」


藍と翼が目を見開いて2人揃って息をのんだ。

2人共矢耶をじっと見ている。


「矢耶はほんと可愛いわね。そりゃぁ男共の頭があがらないわ。ちょっと2人共大丈夫?固まってるわよ?」


海亜が頬杖をつきながら固まる2人に話し掛ける。


ガタガタッ―――――……


どうやらHRが終わった様だ。

帰る支度をしたり帰宅する生徒達が動きだした。


「あっ………あぁ………。」

固まってた藍が海亜の問い掛けに頷いた。


ガタッ―――――………


矢耶のかばんと自分のかばんを掴み立ち上がったかと思うと


「俺ら先に行くわ。また後でな。行くぞ矢耶。あと…………翼、顔赤くしてんじゃねぇぞ。海亜もマーキングのこと言うなよ。男共が矢耶を見るだろ。じゃぁな。」


それだけ言って矢耶の腕を引いて教室を出た。

ただ黙って歩く藍に矢耶は必死についていった。


『藍〜早いよ!』


しかも掴まれた腕が少し痛い。


「わりぃ…」

『あぉー…手、繋ご?』

「あぁ。ごめんな。痛かったか?」


掴まれてた腕を藍が撫でながら顔を覗き込んできた。


『ううん。大丈夫。』

「そぉか。早く行こうか。」

『………?
別にいいけど、どーしたの?』

「早く矢耶と2人きりになりてぇんだよ。」