月夜に舞う




でも、気づいてもらえて嬉しかった。



「そう、うそ」



「本当はどうしてだ?」



私はゆっくり清永の方を振り向く。



「知りたい??」


「ああ」


優しく微笑み呟くように言う。


「秘密♪」


そう、秘密。



『あなたに早く会いたかった』だなんて言えないわよ普通。



でも、聞こえるか聞こえないかの大きさで



「早く会いたかっただけ」



そう呟いた。




きっと、聞こえてない。