月夜に舞う




「今日も綺麗な月」



私は、一人湖の前に座っていた。



「こんな月をみているとあの日のことを思い出すわ」



ぽつり、そう呟いた。


カサっ



「早いんだな」



「そうね、暇だったの」


うそ。早く会いたかっただけ。


でも、素直に言わない。


恥ずかしいじゃない。


「それ、うそだろ?」


「・・・どうしてそう思うの」



「私の目を見て話さなかったからだ」



嫌な癖。



私はいつも人の目を見て話してしまう。