「今宵は満月か」 月の光がてらす中、明かりもつけずに杯を手に月を見る男がいた。 人かと疑ってしまう美しさ。 「さぁ、神舞を見に行こう」 「お供します。清永―セイエイ―様」 暗闇から現れたのは彼の忠実なしもべ。 「清永様。あなたは穢れてなどいません」 清永は神舞の儀式のたびに自分を嘲笑うような顔をする。 「そんなのは・・・分からない」