『想い方』




『由香はいくらで売ったの?』



「……3万だよ」



『そっか…』




それ以上何も話さなかった。


恐くて口が開けなかった。




沈黙のまま3時30分になり、私は駅前の指定された場所に向かう。




『じゃあ私行くね。気をつけて帰ってね!』



「…。」



由香は下を向いたまま何も答えなかった。



私は振り向けなかった。


振り向いたら由香の元へ戻ってしまいそうだったから。