人も街灯も少ない道で由香の後ろ姿を見つけた。
予想通り由香はずぶ濡れでゆっくり歩いてた。
『由香?』
由香の左手首を掴み、名前を呼んだ。
由香が振り向き私に言った。
「ねぇ?どうしたらいい?どうしたらいい!?」
雨が由香の涙を隠そうとする。
「別れたくない。智也とずっと一緒にいたい!!」
『分かってる。由香の気持ち分かってるから。』
それしか出てこなかった。
由香の頭の中が整理されるのに少し時間がかかる。
余計な事は言わない方がいいと思った。
もちろん、私だって動揺してる。
正直怖かった。
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