『想い方』




「由香達と知り合う前、親友の借金の連帯保証人になったんだ。200万ぐらいなんだけど…。そのまま親友が姿消しちゃってさぁ。」




由香は黙って智也を見てた。


智也が続けて話す。




「それで毎月一定額を返さなきゃならなかったんだけど返せなくなった。だから他の金融会社から借りて返してた。」




由香は下を向く。




「でもどこの金融会社も利息が高いんだよな。全然減っていかなくて…。それでもちゃんと毎月返さないと電話がバンバン来るんだよ。気付いたら600万まで膨らんでた。俺はアリ地獄にはまったんだ…。」




胸が痛かった。


親友に裏切られた時智也の心は傷ついただろう。


そして今。


由香に話すのも凄く勇気が必要だっただろう。