『想い方』


智也のズボンの裾が濡れていた。



智也が着替えをすまし、テーブルに座る。


私は少し

黙っていよう

と想った。


由香も智也と向き合うようにテーブルに座った。



沈黙が続く。




先に口を開いたのは智也だった。



「どうしたの?」



由香の顔は真剣だった。



「…。お金いくら借りてるの?」



「え…?……なんの事?」



「もう隠さなくていいよ。隠すのも辛いでしょ?」