**** ―――帰りの電車。 「紗希?」 「……すー…すー…」 「寝ちゃった」 散々振り回され、疲れきった私は、灯夜にもたれかかって眠ってしまっていた。 「…だから無防備すぎだって」 ――ちゅ… 私は、この時灯夜がおでこにキスしていたことを、知るはずもない。