「――…よし、こんなもんか」 額に浮かんだ汗を拭う。 ほとんど片付いた部屋を見渡して、新たなスタートに胸を踊らせていた。 「お母さん、心配してるかな」 この春から、大学生になる。 それと同時に 一人暮らしをするとも決めていた。 自分にとって念願だった一人暮らしに、期待と不安でいっぱいだ。