東村が目をパチパチさせながらあたしを見る。あたしは目を泳がせながらま東村を意識する。


「そんなの簡単じゃね？」


「…何？遊び？ゲーム感覚？」


「んなわけない。…池田が好きだからに決まってんじゃん」


ストレートに言われると、こんなにも緊張するんだと初めて思い知らされた。


「で、も…付き合ってないのに、イキナリするなんておかしい」


「じゃあ付き合おう」


「…それは…キス目的？」


「バーカ。はりねずみを捕獲すりため。これから流出しないようにな」


ふざけてんのか、本気なのかわからない。だけど…これだけは言える。





あたしはらいおんの魔法にかかっちゃったんだ。





「らいおんのくせに生意気だね」


「小さなはりねずみに言われたくないよ」


「小さなは余計だっ」


「いや、小さながあってこそはりねずみだ」