ドキンドキンドキン…心臓が最高潮に達して、高鳴っている。落ち着け、落ち着け自分。
「衣李ぃーっ!!」
みちるの叫ぶ声が聞こえる。みんなから少しだけ注目を浴びた。もう…やめてよ。
八の字選手が並ぶ。係りがオッケーサインを出す。
『よーい、はじめ!』
周りが一斉に跳び出した。あたし達のクラスも1人、またひとりと跳んでいく。
「13…14っ…」
あたしは最後尾。そして自分の番がやってきた。…え…えぃっ。
「ナイスッ!」
みんなが歓喜をあげた。やった!あたしも心の中で小さな小さなガッツポーズをした。
それからも引っ掛からず、何回も跳ぶことができた。嬉しくて嬉しくて顔がニヤけてしまうくらい。
なわとび…克服かな?


