「ぷはーっ、楽しかった!」
みちるはいい汗を流しながら座り込む。あたしはさりげなく飲み物を渡した。
「あれっ?次、東村くん出てるじゃんっ♪」
「あー。確か二重跳び出るって言ってたから」
「って、あぁぁぁ!!真鍋先輩もいるぅぅぅっ!行こう衣李、もっと近くに行くよっ」
そして抵抗したものの、強制的に連れていかれたのだった。
『よーい、はじめ!』
ビュンビュン…一斉に、二重跳びの選手が跳び始めた。うわぁ…みんなすごいや。
それからあたしは、ある人物を目に映し出した。…大きならいおんだ。
デカイわりに…かなーり跳んでるし。なんだよ、あの余裕そうな表情は。
だけど、みんなの中でも一番目がいってしまう東村。悔しいけど、これが恋なんだ。


