バチッ
ずっと見つめていたから何か感じたのかもしれない。…東村がこっちを見て目が合った。
や、やば。
あたしはパッと目をそらした。だって見ていられるわけないじゃんか。
だけど、なんだかモヤモヤが広がって、さりげなくもう一度東村を見てみた。
東村は…こっちを見ていた。あたしが逸らすタイミングを失っていると、
『はりねずみの、バーカ』
東村の口は、確かにそう動いていた。あたしは今度は怒りに溢れて目をそらした。
出たよ、はりねずみ。ムッカー。本当に昨日のこと覚えてんの?って感じ。
だけどさ、あたし楽になった気がするんだ。
まだ何も踏み出してないけど、君とアイコンタクトが取れたことで…さ。


