「ひ、ひが…東村…」


「おはよ。何驚いてんの?」


驚くに決まってるでしょ?昨日あんなことがあったんだよ!?どーしてそんな平然としていられんの?


「別に」


あたしはガラッとドアを開けて、自分の席へと向かった。


「お、おい、池…」


「話しかけないで」


「なん…」


「東村にとって昨日のことは大したことないのかもしれないけど、あたしにとっては消せない事なんだよ」


あたしはスパッと言った。…言ってしまった。それっきり東村は話しかけて来なかった。


せいせいしたという姿勢を見せてあたしは窓の外を見つめた。外には今日行われる、なわとび大会の準備がされていた。