「この伊東大蔵。日ノ本を侵略せんとする夷狄(外国)の脅威と戦う新撰組の力となれるよう、誠心誠意を尽くす覚悟がございます」 まるで穏やかな川の流れのように優雅な喋りではあるが、内容は重いものであった。 「伊東…先生!!」 藤堂は感極まり、おもむろに立ち上がると伊東の両手を真正面からきつく握りしめた。 「この美しい国を、私たちの手で守りましょう!」 「ええ。必ずや」 伊東は満面の笑みで藤堂の熱意に答えた。 この伊東という新しい風がどのように新撰組に作用するのか、まだ誰も知らない。