「頼りなき男が長の藩と同盟を結んでも明日は見えぬ」



「じゃが、長州は幕府の目が厳しい上に資金も足りんじゃろ?
薩摩ならおまんらが望む武器や防具を揃える財源も人員ももっちょる。おまけに今の幕府内部の事情も知っとる。
同盟を結んどいて悪いことはないと思うが?」



「…」



悪魔の囁きが桂の決意を揺るがす。


坂本の言っていることは悲しいかな今の長州藩の現実なのだ。






「………場はお前が用意するんだろうな?」



「そりゃもちろんぜよ!」




「…会うだけだ。気に入らなければ即破談だ」




「さっっっすが桂さん!!話がわかる人ぜよー」




薩摩藩との会合の約束を取りつけた坂本は調子に乗って桂の頭を撫でた。が、瞬時に払い除けられたのは言うまでもない。