「拝見させてもらったが、やはり菊一文字と見て間違いないだろう」



沖田が部屋で悠長に火鉢にあたっていると、菊一文字を持った斎藤が現れ自信ありげに断言した。



「やっぱり本物だったんですね!?
やった――!これがたった三両なんて信じられます一さん!?」


「いや、俄には…」




斎藤から菊一文字を奪い取ると、沖田は刀架に大事そうに置いた。



「使わないのか?」



「こんな名刀人斬りに使うなんて勿体ないです!いざというときになったら使うように今は観賞用として飾っておきます」



「戦場ではいつもいざというときだが…」




「まあまあ細かいこと言うのはやめましょうよ!あはは!」



沖田はご機嫌で刀架に横たわる菊一文字をいつまでも鑑賞していた。