――元治二年(一八六五年)二月二十三日
朝日が京を照らす頃、遂に山南の処分が言い渡された。
――切腹に処す
誰もがわかっていたことなのに誰もが落胆した。
しかし山南だけは表情ひとつ変えず処分を聞いていた。
「刻限は申の刻(十六時)それまで面会は許可する。以上」
局長の使いの者が半紙を降り立たんで用件を伝えると、まだ緊張した様子で山南の部屋から姿を消した。
「山南さん!!」
切腹を言い渡されてから暫くすると、バタバタと数名が廊下を走る音が聞こえてきた。
「やあ。平助、永倉君に原田君まで!」
悠長に笑う山南に必死で駆けつけた三人はがくりと肩の力が抜けるのを感じつつも、山南の部屋に入っていく。
山南が牢屋ではなく普通の部屋に監禁されたのはやはり近藤の信用があったからであろう。
友としての最後にさせてやれる贅沢だったのかもしれない。

