家に帰り、母親が
“あんたどうしたの”
なんて言って来たが、軽くスルー。
 
 
ドン!ドン!ドン!
 
 
2階の俺の部屋までついてきて、しつこくドアを叩き続ける。
 
 
「腹痛てぇから帰った。心配すんな」
 
「あんた、ちゃんと先生に言って帰って来たんでしょうね?前も勝手に帰って、学校に迷惑かけたの忘れたの?」
 
「うっせーな!ちゃんと言って来たよ!(稔にな)」
 
「ならいいけど…。で?あんた、お腹は大丈夫なの?」
 
「あぁ、落ち着いた。…もう、いいだろ。寝るから静かにして」
 
 
ベッドに顔を埋(ウズ)め、今までのキナちゃんとの楽しかったメールのやり取りを思い出す。
 
 
『あぁ〜ぁ…失恋か』
 
 
力無く起き上がり、制服のポケットからケータイを取り出し、キナちゃんとのメールのやり取りを見た。