一昨日の歓迎会の日、キナちゃんとイイ感じに帰れて、話も出来た。
玄関まで送って、
 
 
「優夜くん、送ってくれてありがとう」
 
「いや、俺がキナちゃん送りたかったし、気にしなくていーよ」
 
 
恥ずかしげもなく、そんな言葉が出ていた。
 
「…照れるね(笑)。ありがとう。じゃあまたバイトでね」
 
「おう、またな」
 
と、背を向け、歩き出していると、
 
 
「優夜くん!」
 
 
と呼び止められた。
 
 
「…?どしたの?」
 
「…ちゃんと帰れたか心配だから、帰ったら連絡して?」
 
 
なんて言われて、なんと番号交換なんかもした。
 
 
『俺…脈ありじゃね?ってか手小っさ!』
 
 
なんて事があった。
 
いつの間にか、気付かない内に顔がにやけ、いつもだらしく迎える週の始まりも、この冷たくて凍える様な朝の寒さも、何もかもが幸せな事の様に感じる。
 
 
「ふんふんふ〜ん」
 
 
鼻歌なんか唄いながら。
 
 
この後俺は、親友の言葉に、失意のどん底に突き落とされるとも知らずに…。