帰る途中、道端で猫を見つけた。生まれてまだ、間もないだろう子猫。
無惨にも、殺風景な段ボールに入れられ、タオル1枚で寒さを凌(シノ)いでいる子猫。
 
 
「…お前捨てられたんか?寒いだろ」
 
「…ニャ…ーン」
 
 
寒さのせいで、鳴き声すら上手く出せないらしい子猫。
手を伸ばすと、その小さな体で、思いっきり俺の手に擦り寄って来た。
 
 
「可愛いなお前。…俺ん家来るか?」
 
「ミ…ャー…ン」
 
「そうか。おいで」
 
 
そのまま俺は、子猫を抱き抱えて、ジャケットの中へ入れた。