「は、……あ、結婚なんてまだまだ……。する時には先生に報告しますよ!」
竹永とそんな恋愛といった類の会話をすることになるとは思っておらず、中野は急に恥ずかしくなって言葉に詰まってしまった。
酔った竹永はニヤニヤとしている。
「お前、学生の時は大抵いつも彼女がいただろうが。実は俺も知ってるんだぞ。」
「いや、そんな……。参ったなあ……。」
困惑して中野は頭を掻いた。
結婚という単語を聞いて浮かんだのが、あの瀬沼桃という女生徒だったからだ。
目敏く竹永がその表情を見ている。
「それならお前、好きな女でもいるんじゃないのか。」
「えっ、そんなことないですよっ。」
勢いよく中野は手のひらを左右に振る。
竹永はそんな中野をおかしそうに見て笑っていた。

