俺はすっかり本人が忘れていた携帯をポケットから取り出し、ミューに差し出した。
「忘れ物」
「えっ?」
ミューが首を傾げて俺の手を見て、急にハッとして、携帯をバッと奪うように受け取った。
「あっ、あの……ごめんなさい」
焦った自分の行動に、ミューは素直に謝った。
その後、ジーっと俺を見る。
「なぁ、ミュー」
「あのっ、あのね」
ミューはまるで俺から話し掛けられないように、言葉を遮っている気がした。
「私、気が付いたの」
「ん? 何に?」
「私が家から電話したでしょ?」
「ああ」
「あのね……私、慌てて電話を切っちゃったけど……あの……通話が終わったら、待ち受け画面に、変わっちゃったりするよね、多分」
あっ、ミュー、自力で気が付いたなんて偉いぞ!
……って思ってしまうあたり、俺も随分、ミューを理解出来てきた、って事かな?
「そうだな、変わっちゃったりするよな、多分?」
「うわぁぁぁ」
ミューは絶叫して、両手で自分の顔を隠した。
見えている耳が、真っ赤になっている。
「忘れ物」
「えっ?」
ミューが首を傾げて俺の手を見て、急にハッとして、携帯をバッと奪うように受け取った。
「あっ、あの……ごめんなさい」
焦った自分の行動に、ミューは素直に謝った。
その後、ジーっと俺を見る。
「なぁ、ミュー」
「あのっ、あのね」
ミューはまるで俺から話し掛けられないように、言葉を遮っている気がした。
「私、気が付いたの」
「ん? 何に?」
「私が家から電話したでしょ?」
「ああ」
「あのね……私、慌てて電話を切っちゃったけど……あの……通話が終わったら、待ち受け画面に、変わっちゃったりするよね、多分」
あっ、ミュー、自力で気が付いたなんて偉いぞ!
……って思ってしまうあたり、俺も随分、ミューを理解出来てきた、って事かな?
「そうだな、変わっちゃったりするよな、多分?」
「うわぁぁぁ」
ミューは絶叫して、両手で自分の顔を隠した。
見えている耳が、真っ赤になっている。

