「えっ、今の笑いって『こいつ、やれば出来るじゃん!』って感じ?」

ミューは表紙に『写真測量』と書かれた1冊の本を、俺の方に突き出して嬉しそうに言った。



ニコニコ笑顔のミュー。

この笑顔に弱い俺。



「まぁ、そんな感じ?」

俺はそう返事をしながら、背負っていたリュックを下ろして、作業準備を始めた。



「えへへ♪ 流くんに褒められちゃった♪」

チラッとミューを見ると、持っていた本を抱き締めて、親に褒められた子供のように満面の笑みで喜んでいた。



あぁ、まただ……。

最近、ミューの笑顔や仕草に、心の中が温かくなって自然と笑顔になる。