『近くに居るなら、ちょっとミューに変わって?』

純さんがそう言うので、俺は振り返りミューのところまで戻り、携帯電話を差し出した。

「純さんから……ミューに変わってって」

「えっ、私?」

首を傾げながら、ミューは受け取った。



「もしもし、お疲れ様です……はい、大丈夫です……はい……えっ?」



ん?

ミューが、急に俺の顔を見た。



「な、ななな何を言ってるんですか?! じょ、冗談は止めて下さい!」

そう叫んで、ミューは携帯を俺にグイッと押し付けるように返した。



「もしもし、純さん? 何をミューに言ったんですか?」

『まぁまぁ……ところで、明日、そっち雨の予報だろ? 2人共、明日は代休とって休んでいいぞ?』



話をそらされた気がするけど……まぁ、いいか。

確かに明日の天気予報は、降水確率80%って言ってたから、お言葉に甘えよう。



「分かりました、そうします」

『おう! じゃ、後よろしく~』

そう言って純さんは電話を切った。