今日も地球の上では☆1

しばらくお互い無言だった。



もうこの際だから、上に行くまでの時間は『ハイキング』だと思って、楽しめばいいんだよ。

俺はそう思う事にした。

で。



「なぁ、ミュー」

「な、何?」

「ミューの顔、傷付いちゃったな」

「大丈夫だよ、私、結構ドジっ子であっちこっちに傷付けているから、いつもの事だし」

「いやいや……この現場の責任者は俺だから、俺が責任取るよ」

「ヤダなぁ、流くん。こんな擦り傷1つで、おおげさなぁ」

「『おおげさ』じゃないよ、女の子の顔なんだから……と言う事で」

「と言う事で?」





「傷付けた責任を取って、俺がミューをお嫁にもらうから、心配するなよ?」





数歩行ったところで、ミューの足が止まった。



「なっ、ななな何を言ってるの、流くん」



あっ、顔が真っ赤で、いつものミューに戻った。

やっぱり、こっちのミューの方が……俺は好き。



俺が『ポン』と軽く背中を押すと、ミューは再び歩き出した。