今日も地球の上では☆1

「ミュー」

俺が呼び掛けると、ミューは座り込んでいた地面から立ち上がった。



「ごめんね、無駄な時間取っちゃった……さっ、行こう」

ミューは自分の前面の土を、出来るだけ『パンパン』と叩いてはらい、歩き出した。



えっ? おいっ!

「ミュー! いいから、ミューはここで待機しているんだ! 後は俺が1人でなんとかするから!」

俺も立ち上がり、急いでロープと安全帯を取りながら、ミューの後ろ姿に声を掛けた。



「1人で出来ない現場だから、私を連れて来たんでしょ? だったら、私もきちんと与えられた仕事はしたいの!」

ミューは俺に背を向けたまま、どんどん道を登って行く。



時々、ミューは頑固者になる。

このタイミングで意地を張らなくても……。



俺は急いで追いかけた。



「ミュー、ちょっと待てっ」

追い着いて、俺が肩に手を掛けると、ミューは立ち止まった。



俺がミューの前に回り込むと……ミューは悔しそうな表情で下唇をギュッと噛み、泣いてはいなかったけど、瞳はウルウルとしていた。