クールな表情には似合わない無邪気な声。 え?今、何? キス? ここ廊下だし 人いっぱいいるし ってあれ? みんな、こっちを見てるような気がする。 なんで? 海哉くんがあたしの頭を軽く叩く。 「早く戻らないと次、始まる」 「え、あ、うん」 いつも騒がしいはずの廊下が今日はなぜか静かだった。 海哉くんはキスしちゃったって言ったけど唇に……… 触れてないよね? 真っ白な頭の中で一生懸命考える。 そう、確かに唇には触れてない。 唇の横にチュッて…… あれもキスにはいるの?