続・女好き彼氏



え?


ぼそっと呟いた悠雅の言葉。


それはあまりにも小さくて
きっと悠雅は無意識に呟いてしまったんだと思う。


すると、悠雅はあたしからスッと離れて
あたしに背中を向ける。


どくどくと鳴るあたしの心臓をぐっと抑える。


何も言わない悠雅。


あたしは今にも心臓が口から飛び出してくるんじゃないかってくらいの高鳴りを抑えて震える唇をゆっくりと動かす。


「悠雅…………あの、さっきの……」


「あのさ!」


あたしの言いかけた言葉をまるで聞きたくないとでも言うように、声を張り上げてきた悠雅。


その悠雅の声にあたしは言葉を詰まらせる。



「俺………………彼女できたんだよ」


そう言った悠雅の声は微かに震えていて


やけにあたしの耳に大きく響いてくる。


勝手に開いていく自分の瞳。
強ばっていく上半身とは反対に、あたしの足は今にも崩れ落ちてしまいそうなぐらい震え出す。


でもあたしはしゃべり続ける悠雅の言葉を黙って聞くことしかできない。



「可愛くて、守ってやりたいと思ってる」


いや、そんなこと…………言わないで?