やっと学校が始まってバスケサークルに入ることした。

サークルと言う名のガチのバスケ。

一気に惹かれた彼。先輩。
『まつジュンさん』

彼の名前は短く訳すと
まつジュン。嵐の松本潤と同じまつジュン。
なんか笑える。

でも、私には松本潤並にかっこよく見えた。彼に近づきたかった。話したかった。


ある日新入生歓迎の飲み会で彼の前にどさくさに紛れて座った。すでに酔っていた彼はぐだぐだだった。さらにどさくさに紛れてアドレスを聞いた。

その日から私は彼に連絡をするようになった。
そしていつからか電話をするようになった。


お互い彼氏彼女がいた。私にも彼にも遠距離の相手。

よくあることだ。遠距離はやっぱり続かないものだ。
次第に一緒に遊ぶようになった。初めて誘われたときは4人でドライブ。

次はふたりでドライブ。
どんどんふたりで、が増えた。彼の車に乗るのが好きだった。運転をする彼の横顔が好きだった。口ずさむ顔が愛おしかった。

朝ひとこま目の授業に車で大学まで送ってくれた。でも、明るい時車に乗るならいつも後部座席。
なぜなら彼には周囲がみんな知ってる遠距離の彼女がいたから。

私は入学早々に遠距離を終えた。そう、彼に惹かれたから。

後部座席に乗るときは、ちょっと寂しい。ちょっとせつなかった。


彼の彼女は女医さん。うちの大学、うちのサークルを卒業して働いている女医さん。


私とは10歳も違う。想像出来ないよね。しかも、彼が猛アピールして射止めた彼女。だから、みんなよく知っている。



だからね、別れられない。別れない。わけ。


入学して惹かれて、そして始まった。私の影武者恋愛。