しばらく沈黙が続いた。







戦闘態勢になっていた。



俺は奴らの会話を聞きながら、状況を整理することに必死だった。









「もー…」








NO.6と呼ばれていた女が突然、辻本に向かって走り出した。





それもかなりのスピードだ。人間のスピードじゃない。どういうことだ…




だが、辻本はNO.6の女の動きを見切り、避けた。





「止めるんだ。NO.6。こんなことをしても意味がない。
彼女の持つ能力と装備は俺たちを倒すためのものだ。
下手に戦闘をすれば、さすがの俺たちでも怪我をしてしまう」







「あら、今日は冷静ね。NO.8」






「俺はいつも冷静ですよ。『赤い死神』」











俺はどうすることもできなかった。




さっさとこの場から逃げ出したい。





俺は戦闘タイプの人間じゃないからだ。






だが、民家の入り口の前にレイがいた。




こいつ、なんで道をふさいでいるんだよ…












「戦闘は避けたかったが仕方ありませんね」






そういうとNO.8の雰囲気が変わった。






そして、男が力をためているようだ。







能力値がどれほどのものなのかわわからない。






だが、やばいことになりそうなのはわかったが…









辻本が突然、俺の視界から消えた。









そして、NO.8の前に現れ、腕を蹴り飛ばした。






NO.8は民家を貫通し、遠くの方へと飛ばされていった。











俺はただ口をあけて見ていることしかできない。